有限会社 坂本鉄工所
有限会社 坂本鉄工所
高知県香美市土佐山田町東本町4‐4‐17
TEL 0887‐53‐4101
FAX 0887‐52‐4101
ホームページ http://www6.ocn.ne.jp/~sakatetu/index.html
●キャッチコピー
磨きあげた技術を基盤に、
細かな要望を確実にカタチにするものづくり
代表取締役 坂本 税
設立 昭和8年1月
資本金 300万円
事業概要 鍛造機械、産業用機械、自動制御装置などの製造
打ち刃物の町で創業しその歴史と共に歩んできた80余年
国内でも指折りの打ち刃物の産地として知られる香美市土佐山田町で、昭和8年に業された坂本鉄工所。打ち刃物の町で生まれ育ち、自らも鍛冶屋だったという先代の意志を継ぎ、坂本鉄工所の歴史は、刃物用鍛造機械の開発から始まった。
伝統の技法を守りつつ、近代化を実現した画期的な鍛造機械の誕生
金属材料を高温で加熱し、加圧や打撃で鍛錬、成形を行う刃物の伝統的な「自由鍛造製法」。かつては手で重い鎚を打ち、打っては延ばし、広げて・・を繰り返すしかなかったこの職人技法を守りつつ、近代化を図った画期的な機械が「坂本式ベルトハンマー」。
手ではなく、機械式のハンマーで鍛造することで、刃物の生産性を大きくアップさせた。また、身近な刃物だけでなく、小型、大型部品の生産も可能になった。ただ、手から機械に替わったといっても、刃物の形づくりや厚みの調整などは職人の確かな技術が必要。型上で打撃し、成形する量産型の「型打鍛造」とは違い、熟練した職人による質の高い刃物が1点1点製造される。創業当時から改良を重ね、現在でも土佐伝統の打ち刃物の歴史を支える坂本式ベルトハンマー。西日本での刃物用鍛造機械シェアのほぼ100%を誇り、さらに、焼入機、プレス、搬送機などの自動制御機の製造も手がけている。
製品名:「坂本式ベルトハンマー」
創業当時から開発、改良を続けるオールベアリング式、高性能の鍛造機械。鎚の重量により、10、15、25、30、40、50kg、6種類の機種がある。釣り針や金突きなどの小物から、厚物まで製品の用途によって選べる。
製品名:「坂本式鍛造ローラー」
定位置停止クラッチ付きで取り扱いやすく、偏芯ローラーを使用してのローラー鍛造が可能。ローラーを取り替えることで、鎌、包丁等が自在に鍛造でき、複合鋼材(利器材)の製造も容易に。
刃物業界のみにとどまらず、あらゆるニーズに応える技術と開発力
創業当時から様々な分野に目を向け、数多くの製造業と交流を深めてきた坂本鉄工所。
建築、土木、電気、電子などの業界と連携することで、刃物業界を越えて県内外問わずあらゆる企業の機械を、設計から製造まで一貫して手がけるまでに成長してきた。
独自のノウハウを組み込んだ自社の為だけの機械を求めている企業は、意外に多い。
これまでも、「こんな機械が欲しいけれど、作ってくれるメーカーがない。」といった相談にも気軽に応じてきた。「各企業の詳細な要望に応え、独自に必要とされるものを真摯に提供してきました。同じものを大量生産する大手メーカーには作れないものを作ることが、私たちの使命であり、強みです。」と、坂本社長は語る。長年培ってきた自社ならではの技術を基盤にした、きめ細やかなものづくりが光っている。
製品名:「サトウキビ搾汁機」
黒砂糖を特産品とする高知県黒潮町からの依頼で製作した機械。4本ローラー、3連搾り構造で、搾汁率が従来の2割増し、搾汁時間が4割減になったという。衛生面も重視し、ローラーや、その他の搾汁液が触れる部分も全てステンレス製。
製品名:「吸出し式開放型風洞実験装置」
風洞内に人工的に小規模な流れを発生させ、大気や物質の流れを再現・観測する装置のダクト部分と測定室を製作。基本設計は高知工科大学の筒井教授、ファン及びファンの制御装置は他社が担当。
今後起こりうる南海大震災の被害軽減に貢献する、陸こう・水門自動化装置
河川の堤防に設置し、増水時にゲートを閉めることで氾濫を防いだり、海の防潮堤の開口部から津波や高潮の浸入を防ぐ防潮扉として用いられる陸こうや水門。2011年に発生した東日本大震災では、陸こう自体が流された以外に、手動で閉鎖作業を行った消防団員が津波に巻き込まれて命を落としたり、停電で遠隔操作ができず閉鎖できなかったりといったことが相次いだ。坂本鉄工所では、今後起こるとされる南海大震災の津波被害に備え、数年前から陸こう、水門の開閉自動化装置の開発を続けてきた。この装置では、停電によって遠隔操作ができなかったことを教訓に、高圧圧縮ガスで駆動するエアーモーターを開閉の動力源として利用。電波やITの専門家と連携し、遠隔操作上の高度なセキュリティシステムも確立し、より性能の高い装置へと進化させた。来年度には、高知県のいくつかの市町村で導入を予定している。
製品名:「陸こう・水門開閉自動化装置」
陸こう・水門を遠隔操作で安全かつ確実に開閉。開閉の動力源に高圧圧縮ガスを利用しているので、停電時も安心。これまで手動や電力を利用して行っていた開閉作業のリスクを解消する装置。
問い合わせ先:y-sakamoto@clear.ocn.ne.jp
業種を越えた人と人とのつながりを活かし高知ならではのものづくりを盛り上げたい
優秀な職人とともに、高知県の製造業の発展に貢献してきた坂本社長。高知の技術者が多く加盟する「土佐技術交流プラザ」では発足当時からの主要メンバーとして、「高知県メカトロ技術研究会」では会長を務め、多くの技術者とのネットワークも大切にしている。そして、若手、ベテランを問わず情報交換も積極的に行う。時には業種を越えた人と人とのつながりも、画期的なものづくりへとつながっているのだ。今後も、こうしたつながりを活かし、高知県ならではの製品を作っていきたいと考えている同社。「高知にはものづくりの匠が、まだまだたくさんいます。“高知のものは高知で、高知の職人たちがつくる”それがもっともっと実現できるといいですね。」という坂本社長。本当の意味での「高知産」をさらに増やしていくのも、自分達の使命だと考えている。