トップページ > 泉井鐵工所 縄から網、氷の世界へ
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ウインチ

株式会社 泉井鐵工所


設計から製造までユーザーの立場にたって


高知県室戸市浮津18番地
TEL:0887-23-2111
FAX:0887-23-2114


社長

【製造商品】
マグロ延縄用漁撈機械、ラインホーラー
トロールウインチ、各種漁撈機械、船舶用甲板機械
作業船用各種ウインチ、スラリーアイス製造装置





異分野への挑戦


畑違い

海が近い漁業の街「室戸」の名前は、かつてはマグロ船団の基地として、今では海洋深層水の取水地として全国に知られています。
高知県が力を入れていた海洋深層水の活用方法について研究中の高知工科大学からスラリーアイス貯蔵用の実験機の製作依頼があったのは2004年の事でした。
同大学は室戸の高知県海洋深層水研究所で実験を行っており、当社が同じ街に立地する事と、設計能力があった点から指名いただいたようです。
当社はラインホーラーというマグロ延縄(はえなわ)漁で使う捲揚(まきあげ)機を中心とした、漁撈(ぎょろう)機械の製造では長い経験を持っていましたが、スラリーアイス製造装置は製氷機や冷凍装置などが必要で異分野への挑戦でした。

スラリーアイスとは、微小な氷粒子と塩水等が混ざり合った氷で、シャーベット状の氷をより細くした氷をイメージしていただければ良いと思います。
かねてから縁のあった大阪の冷凍・冷蔵装置メーカーの協力も受けながら、販売にこぎつけられるまでかかった時間は足掛け5年。今ではスラリーアイス製造機は当社の新分野になると期待しています。



良いこと尽くめのスラリーアイス


泉井用イラスト

捕れた魚を出荷する際に、氷詰めにする事が多いのですが、そうすると魚の表面に傷がついたり、小さい魚だと変形したりしてしまう事があります。
魚の傷みは魚価に直結します。
スラリーアイスは微小で柔らかな氷粒子で魚を包みこむため、砕氷に比べ均一に、かつ急速に冷やすことが出来ます。このため、鮮度が長く保て、傷や身焼けも起きにくくなります。
また、液体状なのでホースを使って移送することができ、作業が非常に楽になるというメリットもあります。
砕氷に比べて長期の作り置きが出来ないという欠点もありますが、必要な量だけ作る事で対処できます。





塩分1%の違い


スラリー装置

スラリーアイス製造装置はそれまでカナダとドイツのメーカーが製造しており、日本にも導入されていました。
それらは製氷量が数10トンの大型装置が多く、製氷に用いる塩水の塩分濃度は2~2.5%以上でした。
塩分が濃いと、例えば2%で氷の温度はマイナス1.8度、2.5%でマイナス2.1度程度になり、温度が下がるほど魚が凍り易くなります。
魚を生で食べる習慣がない外国では魚が凍っても大丈夫かもしれませんが、魚を生で食べる習慣がある日本では、魚体が一部でも凍ってしまっては品質に影響します。
魚によって凍り始める温度は違いますが、どんな魚を入れても凍る心配のないマイナス0.9度を目標に、それが可能になる塩分濃度1%のアイスが出来る装置の開発を目指しました。
スラリーアイス用の氷作りは、金属面に薄い氷の層を作り、それを掻きとって行きます。
塩分濃度が高いと出来上がる氷は柔らかで剥離させるのは楽なのですが、低濃度だと固くなってしまい金属面から掻きとる必要性が生じ、開発面では特に苦労した点です。

販売を始めたのは2008年春からで、これまでに高知工科大学向けの実験装置も含め納入した装置は19台です。
装置ラインアップは12時間で0.5トン、2トン及び4トンの製氷能力がある3種の機械があり、価格は標準仕様で600~2000万円です。
昨年暮れには大手電機メーカーのグループ企業と販売提携を締結し、徐々に成果が現れてくると期待しています。
更に最近、野菜の鮮度保持の研究用として農業法人から発注を受けました。魚以外にも用途が広がる可能性も出てきたと成り行きを見守っています。



ラインホーラーとともに


ラインホーラー

当社はこの地で1923年(大正12年)に誕生しました。
当時、マグロ延縄の捲き揚げは手作業で行なっており非常に危険な作業でした。
それを機械化したラインホーラーを創業者が考案し、会社の発展の礎となりました。
以来、ラインホーラーを作り続けているのは当社だけですし、それに限らずマグロ延縄用漁撈機械全体を見ても当社がトップ企業だと自負しています。

ただ、マグロ漁の未来はバラ色ではありません。
200カイリの排他的経済水域を設定する国が増えたことなどに伴う漁獲量の減少や漁獲枠の設定、国の進める減船政策などのあおりを受けて、20年ほど前まで続いたマグロ延縄漁の最盛期に比べると、関連機器の受注額は半分以下に落ち込んでいます。
最近ではマグロ資源そのものの枯渇も問題視されるようになりました。
それでも、当社の製品を長く使い続けて頂いている漁師さんの安全を守るためにもこの機械を作り続けて行く義務がありますし、これがあってこその泉井鐵工所だと思っています。



技術の蓄積を新しい分野に


作業風景

当社としても、マグロ延縄漁の落ち込みをただ黙って見ていたわけではありません。
スラリーアイスもそのひとつですし、既存の技術の応用としては重工大手のOEMとして各種ウインチの製造も始めました。
縄や綱を捲き揚げる技術は90年近く磨いて来たものですから、あとは発注元の要望に沿った製品を作り納めるだけです。
これらのウインチは漁船だけでなく、商船などあらゆるタイプの船に積まれています。

そして新たな展開として、これまでウインチのOEM生産を受託していた重工大手の漁撈機械事業を引き継ぐ話がまとまったのです。
延縄捲揚機メーカーの立場だけでなく、網を捲き揚げるウインチメーカーとしての立場も加わり、より広範囲の漁撈機械メーカーとして前進する事になりました。



安全な漁とうまい魚を


社屋

マグロ漁の危険性を大幅に減らした機械を考案し、マグロ漁と盛衰を共にしてきた当社はこれまでマグロ船用の機械に特化してきましたが、これからはその他の漁船用の機械にも手を広げて行く道筋がつきました。
更に、スラリーアイス製造装置を手にした事で、より消費者に近い機械を作る事にもなります。
これまで縄の捲き揚げ一筋だったものから、網に、そしてスラリーアイスと業態が広がり、言い換えれば、漁業者全体の安全確保と労苦軽減へのお力添えに加え、一般家庭に新鮮な魚をお届けするお手伝いも出来るようになったという事です。
反転攻勢の準備は整ったように感じています。
これからも既存の得意分野を大切にしながら、新しい分野にも果敢にチャレンジしていきたいと思います。




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